3月11日まで、3月11日から。 

東北大震災以後に考えたこと

サエキけんぞう(ミュージシャン)
 
 
今回の大地震以後、戦慄を覚えたことはもちろん沢山あった。
しかし、この美しい国、日本に生まれてきてこの方、最も大きな衝撃を受けたのは下記2件である。
 
2011年6月20日 時事通信社配信
神社本庁(東京都渋谷区)が伊勢神宮(三重県)から被災地支援として送られた
御料米の一部を職員に配っていた問題で、神社本庁は20日、配給の事実を認めた上で、
「保管を続ければ、梅雨のシーズンなので米が腐る可能性があると判断した」と説明した。
神社本庁総務部によると、伊勢神宮から3月下旬に送られた御料米のうち、
福島県神社庁に送る予定だった米については、同庁の要請があればいつでも応えられるよう倉庫に保管。
その後5月半ばに梅雨の時期を控え、「このままでは米が傷む可能性がある」と判断し、
20日すぎに職員らに配った。
 
ニコニコ生放送【05/21・16:30開始】政府・東京電力統合対策室 合同記者会見
福島第一原発の原子力災害に当たっては、各国から支援物資として、
いわゆるガイガーカウンター4万個近くが日本に送られてきているが、
5月21日の政府・東京電力総合対策室合同記者会見ではこれらの多くが、
現在配布されているのかいないのか、或いはどうなっているのかを
政府が把握すらしてないことが明らかになった。
[支援物資]
米国防総省:放射線線量計31,000個/イリノイ州:個人線量計2,000個/
韓国:放射能サーベイメーター 20台/フランス:放射線計測器(個数不明)等の原子力関連物資/
ロシア:個人線量計 400個/カナダ政府:放射線サーベイメーター 154台 線量計5005台/
フィンランド:放射線計測モニター 50台/イギリス:放射線線量計 566台/
フランス:放射線測定機 250個
 
国による国民の安全が保証されない国は多いし、今のところ、憲法により、
熱戦争への積極的参加は想定されていないので、戦死の危険は少ない。
死への危険性は、そうした積極的な意味での可能性は想定されない。
しかし、こうした案件について、どう解釈したら良いのだろうか?
果たして、国民はどういう立場といえるのだろうか?
公共的事業あるいは、自治体や政府機関の人々はどう、国民と対峙しているのだろうか?
 
これらは何気ない記事の中に、それらの当事者達の過酷な判断が映し出されているように思えてならない。
その姿を思いやるとき、戦後の日本の姿、あるいは昭和33年生まれの自分が
生活の中でつちかってきた国に対する考え方は、
根本的に修正を強いられているような気がしてならない。
 
実は、うっすらとであるが、ひょっとしたら?と状況を思いやることはあった。
しかし、まさかここまでの状況とは思わなかった。
現在、世が戦乱状態にないことは、上記とあまり関係がない。
こういう仕組みの中、戦争でも起これば、どれだけのむごい状況が生まれるか?
想像を絶する。
 
また、これらの出来事は、第二次世界大戦中に起こったとされる、
沖縄での民衆の扱われ方など、様々な伝説的な出来事を裏付けしてはいないだろうか?
そこまでしか、今は考えることができない。ぜひ、諸先輩方の意見を伺いたい。
 
(2011.08.08 寄稿)
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